安心して産める理由vol.3ー家族で迎えた赤ちゃんー

そして、いよいよその時がやってきました。

お産は、とても穏やかに、そして驚くほど自然に進んでいきました。
赤ちゃんの心音は元気いっぱい!

お母さんは、陣痛の波が来るたびに、自分の呼吸に身をゆだねながら、静かに赤ちゃんを迎える準備をしていました。

「もうすぐ生まれるよ~。」

そのタイミングで、眠っていたお姉ちゃんとお兄ちゃんをサポート助産師が起こしに行きました。

普段なら、起こされてもなかなか目を覚まさないお姉ちゃんが、その時はいつもと違いました。ぱっと目を開けると、そのまままっすぐお母さんのそばへ。
3歳のお兄ちゃんは、まだ少し眠たそうな、少し不思議そうな表情を浮かべながら、お母さんの隣に座りました。

家族みんながそろった、その瞬間。

赤ちゃんは、本当にするりと、お母さんの身体から生まれてきました。

「わぁ……!」

部屋中に歓声が広がります。

お姉ちゃんの顔はぱっと輝き、お兄ちゃんも目を丸くして、生まれたばかりの妹を見つめていました。

赤ちゃんは、お母さんの胸の上へ。

その小さな命を抱きしめたお母さんが、最初に口にした言葉は、

「……え? 生まれたのーーー?」

でした!  そして続けて、

「もう終わったのーーー?あーーーん もっと味わいたかったーー。」

それを聞いて、みんなで大笑い!!

「お産は痛いもの。」って言われるけど、それだけではないんです。彼女だって決して楽だったわけではありません。その時間は、ただ「痛い」だけの時間ではありませんでした。

一つひとつの陣痛は、

「赤ちゃんが生まれてくるよ。」

という身体からのメッセージ。

そして、お母さん自身の内側から湧き上がってくる力を感じる時間でもありました。

痛みを乗り越えるというより、その力と一緒に進んでいく。

だからこそ、生まれた瞬間に彼女は、

「もっと味わいたかった。」

そう感じたのだと思います。

短時間だから安産なのではなく、お母さんが自分の身体を信じ、赤ちゃんを信じ、その時間を味わえた。まさに!これぞ、ご安産!!でした。


そして、このお産には、もう一つ忘れられない宝物があります。

それは、お姉ちゃんとお兄ちゃんも含めて、生まれてくる妹を家族みんなで迎えられたこと。前回のお産では、お姉ちゃんはその場にいませんでした。だから今回は、「みんなで迎えよう」と何度も話し合い、準備を重ねてきました。その願いは、まるで最初から決まっていたかのように、自然な流れで叶えられました。

子どもたちが眠っている間に、お母さんは自分のお産に集中する時間を持ち、一番大切な瞬間には、家族全員がそろって命を迎える。そんな美しい時間を見せてもらいながら、

私は「家族で産む」という言葉の意味を、改めて教えてもらいました。助産師という仕事は、赤ちゃんを取り上げるだけの仕事ではなく、一つの家族の物語に寄り添わせてもらう有難い仕事なのだと思います。


家族のチームTシャツを着て♡

妹が生まれた瞬間から、お姉ちゃんの母性発動!「私の赤ちゃん。」と、抱っこしています。お兄ちゃんは、遅れた赤ちゃん返りかな・・・(笑)

複雑な心境のお兄ちゃん。。。(笑)


もうすぐ、あの日から一年になります。

元気にしているかな。

きっと、お姉ちゃんも、お兄ちゃんも、妹ちゃんも、大きくなっているんだろうな。ふと、みんなの笑顔が浮かびます。

また、会いたいな。

そんな気持ちを込めながら、1年前の夏を思い出しています。

  

クバの葉助産院 橋本恵里子

クバの葉助産院 橋本恵里子

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