6月23日は、79年前沖縄戦が終わりを告げた日。慰霊の日です。
凄まじい地上戦に耐えられずにいた日本軍は、本土での終戦宣言よりも先に白旗をあげた日です。
なので沖縄では、6月は慰霊の日にちなんだイベントの開催やテレビ番組、学校の授業でも沖縄戦の話が取り上げられます。
私は、小学生の頃、毎年6月に展示されていた血まみれの生々しい写真があまりに衝撃的で、眠れなくなった感覚を今でも忘れられず、戦争の話を避けてしまいます。。。それでも、この6月は否応なく地獄のような沖縄戦の話を耳にしてしまいます。それは、人間の愚かさを身をもって感じる地獄でしかない光景。それが、同じこの土地の上で起きたことなのかと、言葉を失ってしまいます。
私自身は、祖父と叔父を戦争で亡くしています。104歳で亡くなった祖母は、戦争の体験を私たち孫に語ることはありませんでした。亡くなる直前に、私の父が祖母の体験を聞き取り、記してくれて、その苦しみを知りました。
歴史上の話。もう遠い過去の話と、子どもの頃から思っていましたが、6月に誕生日を迎えて50歳になった私は、祖母の人生と自分のこれまでの半世紀を重ねて遠い昔の話ではないことを今年しみじみ感じました。
そして、この6月。
待っていた赤ちゃんが生まれました。
清らかな赤ちゃんに恥じないよう、
自分を整えて
チームで心を合わせて
その日を待ち、お迎えしました。
「苦しい~って思ってたのに、おもしろかった~。もう一回やりたいと今は思ってるからふしぎ~。」と、笑いながら出産後すぐに話してくれた妊婦さん。
いのちを繋げる女性のたくましさを感じます。
このいのちは、
たくさんのたくさんのご先祖様のいのちが、出逢い、交わり、繋げてくれたもの。一人でも欠けたら私たちはこの世に存在できなかった。
私も、ちっぽけな存在であることを
お産に向き合い、赤ちゃんを前にすると気づかされることが多く。
それでも私は、自分が生きていく中で、人間の魂の純粋さと温かさを感じ、磨くために、
お産に向き合う助産師であろうと思っています。
わたしは、大好きな故郷沖縄で、聖域であるお産の場を守る産婆をすることで、
ご先祖様に感謝を表していくんだな。
それが、わたしの平和活動なんだな。
と、思った6月でした。
(この子の生まれた日のストーリーは
また今度。)
梅雨が明けた晴天の沖縄。
夏の日差しに元気をもらって、また来るいのちをお迎えしよう~ 。
クバの葉助産院
はしもとえりこ