新企画のサンバ仲間のインタビュー☆
今回は、うるは助産院の永井綾さんにお話を聞きました。

バリ島のリトリートで取り戻した「女性と赤ちゃんを守る」という使命
「夢の中で、ブミセハットのロビンさんが現れて、『ここへおいでよ』と声をかけてくれたんです。」
分娩開業をして2年、お産を大事にしたい思いは変わらないけど、想像以上に心身ともに疲れてしまった。。。その彼女が、バリ島のブミセハットで開催された「Eat Pray Doula」というリトリートに導かれるように参加しました。
この旅は、単なる学びの機会ではなく、自分自身を癒し、助産師としての原点に立ち返るための大切な時間となったといいます。

言葉では表せない感覚との出会い
バリでのリトリートには、世界中から約25人の女性たちが集まりました。ドゥーラ、母親、教育者、そしてさまざまな背景を持つ女性たち。
最初はそのエネルギーの大きさに圧倒され、輪の中に入ることさえ難しく感じたといいます。
けれど、対話を重ねるうちに、肩書きを超えて「ひとりの女性」として自然にそこにいることができるようになりました。
「助産師の私をいったん横に置いて、素の自分で参加できたことが、とても大きかったです。」
世界で見てきた、女性が守られていない現実
あやさんが助産師を志したのは16歳のとき。高校で受けた助産師さんの命の授業がきっかけでした。
その後、大学病院での勤務を経て、JICA青年海外協力隊としてスーダンとソロモン諸島で活動しました。
スーダンの産婦人科病院で目の当たりにしたのは、女性の尊厳が守られていないお産の現場でした。
暴力的なケア、女性の叫び声、FGM(女性器切除)、過酷な環境。
「女性たちの苦しむ叫び声が、今でも忘れられません。」
その経験は、綾さん自身の傷にもなり「女性が守られているかどうか」が、自分にとって最も大切なテーマであることを深く刻み込まれたんだろうなと、語ります。
照子さんが見せてくれた希望
女性を大事にしたい・・・という思いはあっても、医療現場でも自分の思う助産師像はなかなか見つけられずにいました。自問自答しながら探し求めていた時、山梨の松浦助産院の照子さんに出会います。
照子さんのケアには、母と赤ちゃんが主体であることを守る、静かな強さがありました。
「これこそ、私がずっと信じてきたものだ。」
照子さんの姿は、世界で見てきた女性の苦しみとは対照的に、あやさんの心に「答え合わせ」のような安心感をもたらしました。そして、女性が主体となるお産を守るべく、綾さんは分娩開業を決意します。
助産師としての道に、もう一度戻ってきた
分娩開業し、2年間。22人の自宅出産を支え、自身の妊娠・出産・育児も経験しました。
その2年は、大きな喜びと同時に、「この先も続けていけるのだろうか」という不安も大きく残りました。いのちを守る責任の大きさに心身ともに疲弊し、続ける自信を無くしかけ、一度はやめようとも考えたそうです。
でも、今回のバリの旅を経て、その迷いは消えていました。
「助産師という道から離れたいという気持ちは、なくなりました。戻ってきた感じです。」
「ただ、その人の物語のそばにいる」
リトリートでロビンさんが語った言葉が、あやさんの心に深く残っています。
「良いも悪いもなく、ただその人の物語のそばに、私たちがいるだけ。」
助産師として、もっとできたのではないかと自分を責めることもあったあやさん。
しかしこの言葉は、「完璧でなくていい」「寄り添うことそのものに意味がある」と教えてくれました。

綾さんの夢宣言!母と赤ちゃんのための「オアシス」をつくる!
そして最後に、あやさんの叶えたい大きな夢を、思い切って言っちゃってください!
とお願いしました。
綾さんは、ブミセハットに行って地域に根差して、一歩一歩進んでいく大切さを知りました。
「わたしはわたしの場所がある。わたしは静岡の土地に、母と赤ちゃんのためのオアシスをつくります!」
と宣言されました。
植物に囲まれ、水の音が流れ、産む人も産んだ人も、誰もが安心して集える場所。
実家のように温かく、訪れるだけで癒される場所。
そして、人と人とが自然につながっていく場所。
「ここに来ると、なんだかほっとする。」
そんな空間をつくることが、綾さんの大きな夢です。
導かれるように、自分の場所へ
世界を巡り、多くの女性たちの声に耳を傾けてきた綾さん。
夢に導かれて行った旅先で見つけたのは、新しい答えではなく、自分がずっと大切にしてきた想いでした。
女性と赤ちゃんが、安心して守られる場所をつくること。16歳の少女が助産師という仕事に憧れたあの日から、少しも変わっていません。
いつか静岡に誕生する、そのオアシス。
そこには、世界中で出会った女性たちの祈りが、あやさんを通して広がっていくことでしょう。

左わたし。右綾さん。
あーーー。なんて素晴らしい仲間なんだろう!!
キラキラの目で語る綾さんから、わたしも力をもらいました。
クバの葉助産院 はしもとえりこ
