先日、竜ヶ岳に。
時々ふっとひとり山登りをする。
もちろん比べものにならないけど、
山登りはお産を感じる時間。
竜ヶ岳は師匠に連れて行ってもらったけれど、
ひとりで登ると
「あれ⁈こんなにキツかった?」
はじめからガンガン急登。
はぁはぁひぃひぃ・笑。

お天気は初めからイマイチだったけど、お昼まではもつかな?と。
平日だけれど途中途中に人がいる。
ガイドさんと2人で登っている様子を見て、
やっぱり助産師は山岳ガイドみたいだと思う。
今の私は全然ガイドにならないけど…。
自分で必死!!!

時々お産中に
「ちょっと待って欲しい」
「一度休みたい」
と言われるけど、本当にそうだと思う。
そして、
周りに人がいると歩くリズムがつかみにくいのに、
ずーっと人に会わないとそれはそれで不安に…。

竜ヶ岳は笹が気持ちいい。
笹の道まで来ると、視界も開けて登りも緩やか。
途中で本栖の芝桜が見えると聞いていたけど、それも時期が終わってた…。
そしてそして頂上!!!
えー!!!何も見えない!!!

到着する人が口々に「何も見えない!」と叫んでいた。
みんな知らない同士だけど、お互いクスクス笑って、それはそれで和やかな時。
前日作ったよもぎだんごを食べつつ私も笑う。

私はいつもお産を希望してくる妊婦さんたちに言う。
「お産は山登り。頂上はどんな景色かわからないけれど、それも楽しもう♬」
今回はまさにそうだった。
頂上は何にも見えなかったけど、なんだか楽しく和やかな時間を過ごせた。
下山途中に高齢のご夫婦にお会いした。
「1人で登山?えらいなー!ご褒美だな」
と言われ、
「いやー、てっぺん何も見えなかったですけどね」
なんて笑ったら、
「なんのなんの、達成感がご褒美だぞ!!!」
とご主人に言っていただき胸が熱くなる。
どんな山登りも良く、どんなお産も良い、って言われたみたいだった。

はー、山登りはおもしろい。
登りはじめは「なぜ来たんだ?」「もう登らないぞ」って思うのにね・笑。
出張さんばステーション富士北麓 助産院フジサンバ
渡邊 美幸
