今日は、へその緒のおはなしです^^
生まれて間もない赤ちゃんのおへそには、子宮のなかでママとつながっていたへその緒の一部が残っています。出産時にへその緒は切るのですが、赤ちゃん側のへその緒は自然に取れるまでつけたままになっていることが一般的です。
それがこの写真(生まれて3日目)
早ければ生後1週間、だいたい2~3週間ほどで自然にとれます。
日本では、このへその緒を保管しておくという風習があります。
この風習は、日本と東南アジアの一部の地域のみのようです。
このブログを読んでいるあなたのへその緒もお家に保管しているかもしれませんね。
ではなぜ、へその緒を残すのでしょうか?
日本の地域によって様々な言い伝えがあったようです。
例えば、
「へその緒を棺に入れることで、死後、迷うことなく母親に会える」とか
「母親が亡くなった際、そのこどものへその緒を棺に入れてもらうと、来世でも我が子に会える」とか
「子どもが大病にかかった際に、へその緒を煎じて飲ませることで一命を取り留めると信じられていた」とか
「こどものお守りや成長を祈るためのもの」
などなど、非常に面白い。
へその緒は、妊娠中に母親から胎児に栄養や酸素を届ける役割をもつ、いわばいのち綱。
生まれてから、赤ちゃんは自ら呼吸をし酸素をからだに取り込み、母乳やミルクを飲み、自ら栄養を摂るようになります。
なので、妊娠中のこの物質的なつながりは不要になり自然に断たれます。
しかし、このいのち綱である母子の繋がりを象徴する「へその緒を残す」ということに想いを馳せてみると、日本人は、親子のつながりを大事にしていたことがわかります。
親子のつながりを大事にすることで得られるものってなんやろう。
逆に大事にしないことで、得られるもの、失うものってなんやろう。
そんなことを考えたり、感じたりしてみました。
霧の箱に入った自分のへその緒、こどもたちのへその緒を見て触れたくなりました。
では、また^^
とも助産院 平野朋美