マルハバン☀
本日はヨルダンの首都アンマンにある
UNRWAのメインオフィスにて、保健局長の清田明宏先生にお会いしてきた。

UNRWA(アンルワ/ウンルワ)とは
**国連パレスチナ難民救済事業機関**
1949年に設立され、パレスチナ難民に対して食糧、教育、医療、住居などの支援を提供。
ヨルダン、レバノン、シリア、ガザ、東エルサレムを含むヨルダン川西岸で活動しており、数百万人のパレスチナ人に必要不可欠なサービスを提供している。具体的には、保健、教育、社会サービス、難民キャンプのインフラ整備などを行っている。(hpより)
現在私の住んでいるヨルダンは中東の中でも特殊な国であり、近隣諸国の難民を大量に受け入れている国である。
我が子の通っている保育園にもシリアからの難民の子が通っていたり、難民登録している人の85%がキャンプ外、15%が難民キャンプ内での生活をしている。
日常的にも難民の方が多数溶け込んでいることを私は知らずに驚いた。
難民=キャンプのイメージが強かったから、知らないことは勝手にイメージづくりをしてしまう。
今回なぜこちらにお伺いしたかというと、来月助産師学生向けの国際母子保健の授業があり、パレスチナ難民への支援の現状を伺いたかったからである。
ヨルダンという特殊な国では
ヨルダンの母子保健は大きく分けて「ヨルダン国民向け」と「難民向け」がある。
その両輪を知り、まとめて学生に届けたいと思う。
まず、現在もなお戦闘が続いているパレスチナでは毎日多くの人が犠牲になっている。
ジェノサイドとも言われている悲惨な事態。
最近パレスチナ関連の記事を読んでいるとそれだけで気分が悪くなってしまう。
自分の地位や欲望のために、人間がすることと思えないことを人間にしている。
パレスチナ内で苦しんでいる多くの母子たち、難民になりヨルダンや他国へ避難している多くの母子たち。
少しでもこの人たちに意識を向けてくれる人が増えることを願っている。
前置きが長くなったが、学びをシェア(アウトプット)していく。
ヨルダン国内にはUNRWAの運営している難民キャンプは10か所あり、クリニックはキャンプ内・外に半分ずつあり合計25か所ある。
ヨルダン人の看護師・助産師・医師(巡回)がそこで働いている。
WHO(世界保健機関)が推奨している妊婦健診の回数の8回(今まで4回だったが、最近妊娠後期の回数を頻回にするために回数が倍になった)、産後健診(産後6週間以内に受診、8割の人が受診している状況)に関してはUNRWAの運営するクリニックで受ける場合には完全に無料で受けられるとのこと。分娩は政府の運営している病院にて受け入れされている。
また、ヨルダン国籍を持っている難民(多くの難民は2重国籍)は、政府の運営する病院での健診を選択もできる。その場合、分娩費用もすべて含めて50JD(日本円で1万円ちょい)でまかなってくれる。他費用はヨルダン政府が負担している。
また、難民の中でもお金がある人は私立の病院に通う人もいるようだ。
費用を負担しているということだが、ヨルダンが難民のフォローもできるほどお金持ちなのか?
ヨルダンは石油等の天然資源には決して恵まれた国でなく、また経済状況も世界的なコロナ禍や物価高騰の影響を受けて厳しい状況が続いている。そのため、ヨルダン国内のパレスチナ難民支援にはヨルダン政府だけでなく、各国の支援機関やNGO、またUNRWAなどの国際機関による支援が不可欠。国境をイラク、シリア、イスラエル、パレスチナ、サウジアラビアといった国や地域に接しながらも、ヨルダン国内の治安は安定していて、故郷を追われたパレスチナ難民にとって安全な避難先となってきた。(UNRWA hpより)
現在、UNRWAの運営するクリニックに通う妊婦は年間約2万人おり、ファミリープランニング(家族計画)で通う人は年間約4万人とのこと。家族計画については思うことがあるが、「自分で選択できる」リプロダクティブヘルスは重要な保健分野の一つである。ヨルダンにはUNFPAが入っており、UNRWAのファミリープランニングケアもUNFPAから器材を入手しているとのこと。
UNFPA
国連人口基金(UNFPA)は、すべての妊娠が望まれ、すべての出産が安全に行われ、全ての若者の可能性が満たされるために活動する国連機関です。 UNFPAは、世界の150カ国以上で活動を行っています。 UNFPAは持続可能な開発目標(SDGs)のうち特に目標3「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」および5「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」を達成するために活動しており、人口統計データを用いて、途上国のニーズを調査・予測し、目標達成のための支援を行いつつ、指導・訓練・サポートを通して現場のパートナーの能力強化を行っています。
出産は政府の働きかけもあり、ほぼ100%が病院で行っている。
妊産婦死亡率は2024年は年間5人(2万人中)であり、日本が3~5人(10万人中)のため、日本の5倍ほど。
おそらく、病院でお産していても
糖尿病や高血圧(途上国と言われている国では生活習慣病が長く問題になっているが難民の中でも問題は同じなよう)を合併していたり、栄養失調であったり、若年妊娠・多産であったり、精神的なストレスも強く影響している気がする。
世界の妊産婦死亡の原因として、 重度の出血、高血圧、感染症、人工妊娠中絶による合併症、妊娠の影響による基礎疾患の悪化 などがあります。 医療体制の整った環境で出産を行う場合、一般的な合併症で命を落とすことは少なくなっていますが、開発途上国や紛争の影響を受ける地域では多くの妊産婦が命を落とす原因となっています。 2020年、 深刻な人道危機に直面している9カ国における妊産婦死亡率は、世界平均の2倍以上 (出生数10万人当たりの妊産婦死亡数は551人、世界平均は223人)になっています。( EARTH NOTE 記事より)
難民として母国を半ば強制的に出なければならなくなった母子たちは、いつ母国に戻れるかも分からない。
家族バラバラの母子もいる。
家族が目の前で殺された母子もいる。
とにかく生きるために逃げてきた母子もいる。
パレスチナ、シリア、レバノンの情勢はどんどん悪化していて、私たちの活動にも限界を感じることがあります。一番の解決策は戦争をやめることです。私にその権限はないし、どうすることもできないですが、それを言い続けないといけないと思っています。(清田先生の言葉)
清田先生の計らいで、今度UNRWAの運営しているクリニックへ訪問できることになったため
現状を目で見て 通っている人たちの思いをそのままお伝えしていきたいと思う。