私はLMC助産師育成プログラム第３期生。まさに今現在研修期間中。
同じ北杜市に住み、私が市役所勤務の頃からとても気になっていたお方である松浦照子さんのところでとにかく研修がしたかった。自宅出産をサポートされている照子さんのことが出会った時から気になってしかたなかった。そして友人が照子さんのサポートを受け出産していたので照子さんへの興味は深まるばかり。やっと照子さんの健診、お産を間近で感じることができるチャンスがやってきた！！！
健診は毎回、女性の話を聞くところから始まる。日常のことだけれど、流してはいけない大切なこと。家族への想いと自分の想い。いろんな気持ちが溢れて毎回平均2時間の健診。こんなに丁寧な妊婦健診は初めてだった。
こんなふうにお味噌汁までいただいたこともあった！美味しかったな〜楽しかったな〜
時には大きいワニのぬいぐるみでわちゃわちゃとして大笑い😆
健診にほぼ毎回同席させてもらっていた。女性は初めての健診からどんどん変化していった。一番大きかった変化は初回の妊婦健診から４週間後の松浦助産院での健診の時だった。目の輝きが違っていた。なんて美しいのだろう…心からそう思った。この女性は自宅で産める。そう直感した。
自宅敷地内に義父が建てたという礼拝堂があった。いつも気になっていたので照子さんがいらっしゃるまで礼拝堂を見せてほしいとお願いすると快くOKしてくださった。
中に入ると…すごいエネルギーを感じた。頭頂から鼻にかけてスーッと暖かいものが流れるような感覚を受けた。そして心臓のような大きな鼓動をおでこのあたりにドクンドクンと波打ってくる感覚。不思議だった。つい頭を下げ手を合わせた。まもなく照子さんも礼拝堂へ来られ、同じような感覚を受けていることを感じた。
お産が近くなった頃、女性は礼拝堂で産むことを決め、そしてそのために家族が動く。
女性が変わると自然に家族も変わり、女性の気持ちが定まると、家族がそれに合わせて動いてゆく。お産をするってすごい。女性が本来の自分の感覚のままそこに居る。色々な想いを抱きつつも、ゆるゆると変化しており、骨盤も頭も開いていくのを感じた。
そしてお産。
最初はすこーし緊張していた私だが、照子さんがタイミングよく声をかけてくれ徐々にその場の空気に溶け込むことができた。女性も自分の感覚で動いている。とても良い感じで私は何の不安もなくその場にいた。
陣痛が不規則でなかなか強くならない、間隔が縮まらないからと、外に出たい、陽を浴びたい、歩いてみようかなと感じるままに動く。5月の昼間。ポカポカと降り注ぐ太陽の光の下で女性も夫も、サンバーズもリラックスしていた。後から振り返りあの時子宮口はすでに７cm。自由に外で動くご夫婦を何の不安もなく見届けていたサンバーズ。（メインの照子さんはのんびりしながらもピンっと女性を感じていたそう。）私自身は、病院勤務していた時の自分からは想像できない自分の心理と行動に驚いていた。（お産が終わってから）
そして、女性は礼拝堂の少し手前で動けなくなり、照子さんの「布団持ってきて！」の一言で必死に準備した。でもなんだかすごく充実していた。
程なくして、太陽の光が降り注ぐ青空の下で夫と共に神の子をご出産された。
みんながその場でそれぞれの役割を果たしていた。
何より！こんなに壮大な大自然の中でのお産！
幸せすぎて1ヶ月はその余韻から抜けられなかった。
この時、その場にいた全員は見えないけれど、とても暖かい光の輪の中で何かに守られていた。それは女性と赤ちゃんが導いてくれたのだろう。
・・・
＊女性はお産前の4月の妊婦健診で私たちに教えてくれた。
「私は子供の頃から世界中の人が幸せでいてくれたらなあと願っていたんです。」
女性のこの気持ちを聞いていた。
お産の後に「何もかも安心でとても幸せなお産でした」と教えてくださり、そして言った。「この幸せを波紋のように世界中に広げたい」と。
青空の下でのお産を通して私は、幸せなお産こそが世界平和につながるのだ！と確信した。
それならば1人でも多くの女性が幸せなお産を経験することでその幸せを広げることができる。母が幸せであれば家族みんなが幸せでいられる。そういう家族が増えれば世界平和につながっていく。それまで色々と悩んでいたが、この時に私の中で覚悟が決まった。幸せなお産が世界の平和につながることだと女性が教えてくれた。
ついその場で女性に「私お産やります！」と宣言していた。
今回のお産（研修）を通して、私はたくさんのものを頂いた。お産をした女性、お生まれになった赤ちゃん、ご主人、お子さんたち、照子さん、こず恵さん、若奈さん。
皆様に出会えたこと、共にお産までいられたこと。全てに感謝。
そして私は新しい一歩を踏み出すことができた。
ありがとう
感謝！！！！！
出張さんばステーション八ヶ岳 こだま助産院
児玉なな絵