わたしの助産観をかたちづくる言葉 1

「ただお産に付き添うだけなら旦那さんでもご家族でもできる!助産師ならばお産が進むことを考えながら付き添いなさい」 信州大学付属病院・中嶋まさ子助産師(当時)

わたしは看護師で1年間産婦人科勤務を経ての助産専攻科進学だったので、お産の介助はできないけれど、お産の付き添いは数多く経験していました。

自信もそこそこありました。

腰のさすり方とか声かけとか、一生懸命していました。

進学して初めて…産まれて初めてのお産の時に指導をしてくださったのが中嶋さんでした。

その時にバシッと言われたのがこの言葉でした。

目が覚める思いでした。

ただ付き添う、ただそこにいる、腰をさする…それだけなら助産師でなくともできるのです。

助産師ならば、産婦さんを寄り添い癒し、そうしつつも常にお産が進むように考えを巡らせることが大切なのだと教えられました。

中嶋さんはいつも優しく、みんなのお母さんのような助産師さんでした。

実は、中嶋さんはもうこの世にはいらっしゃらないのです。

中嶋さんのこの言葉をわたしは一生忘れません。

中嶋さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

・ ・ ・ 先日同窓会のため母校に行った時、たくさんの思い出と向き合いました。

今のわたしがあるのは数多くの大先輩方からの指導あってのことです。

それを自分のために記録に残すことが、もしかしたら誰かの役に立つかもしれないと考えるようになりました。

病院勤務時は、後輩たちによく話していた言葉たちです。

今は病院勤務でない分、この言葉たちが誰かの胸に届いたら嬉しいです。

しばらくこのシリーズをゆっくり綴ってみます。

出張さんばステーション富士北麓 助産院フジサンバ
渡邊 美幸
渡邊美幸

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする